top of page
ijuinterview.png

移住者インタビュー

先輩先輩移住者にはどんな人がいるのか、どんな生活をしてなにを感じているのか。

当事者の声で、地域と移住のリアルを紹介いたします。

先輩移住者にはどんな人がいるのか、
どんな生活をしてなにを感じているのか。

当事者の声で、地域と移住のリアルを
紹介いたします。

「競合が少ないなら、自分がやればいい——それだけです」

  • 2025年11月10日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月23日



⚫︎体験宿泊施設運営・珈琲焙煎・整体 木﨑和也さん


「競合が少ないなら、自分がやればいい——それだけです」 そう笑うのは、木﨑和也(きざき・かずや)さん。埼玉県に生まれ、高校、大学とアメリカンフットボールに打ち込み、体育会で鍛えられた木﨑さん。大学卒業後は、憧れもあって「稼ぐ」ことを目標に東京の不動産会社へ就職します。


しかし就職してみると壁にぶつかります。


「憧れだけでは続かなかった。稼ぎたい、カッコいいと思われたいって気持ちは本当にあったけど、 毎朝起きるのもしんどくなってて、あるとき 鏡を見ると顔色が自分でもわかるくらい悪かった。何より、私が目標にしたい人が見つからない職場だったんです。“この人みたいになりたい”が見つからないまま数字だけ追い続けるのは、私には無理だと思った。

東京への憧れが強かった分、正直“自分は東京じゃ戦えないのか”って落ち込んだけど、そこで一回立ち止まれたのは大きかったですね」


その後転職し 、製菓・製パン機械のメーカーで営業を約6年。国内の現場を回るうち、大量生産の舞台裏や“食”への興味がじわじわと膨らんだと言います。休日は山へ、畑へ。祖父の大きな畑を手伝い、珈琲の焙煎にものめり込むようになりました。


埼玉・飯能の山奥で一人暮らしを始めたころ、自然のなかの暮らしが自分たちらしいと感じ始めた木﨑さん。そして、そこでの暮らしで出会ったパートナー。彼女は オーストラリアの農家に滞在した経験があり、土に触れる暮らしに惹かれていた——そんな二人の気持ちから、次への一歩が始まりました。



“決め手”は直感と縁。海のそばで暮らしてみる


「自分たちらしい暮らしができる場所」。その移住候補地を探すなかで、大船渡は早い段階からリストに上がっていました。パートナーの母が大船渡出身で、親戚がおこなう牡蠣の養殖に以前から 興味が湧いていました。ゴールデンウィークに初めて大船渡を訪問。そして開けた海を見たとき「ここに住もう」と2人は決断。2022年に地域おこし協力隊として移住しました。


協力隊員としての業務と同時並行で牡蠣の現場 での仕事もスタート。論理的思考で段取りを組むのが得意な木﨑さんにとって、「海に合わせて動く」という感覚的な海の仕事は新鮮だったといいます。


「風と波で仕事が変わる。正解が一つじゃない世界だと腑に落ちてから、地域のリズムに馴染めた気がします」



“半歩ずつ”仕事を重ねる、今の暮らし


協力隊の任期を終えた木﨑さんは今、個人事業主として活躍しています。体験・宿泊施設である三陸アクティブと業務委託契約を結び、予約管理、体験企画、設備投資の段取りまで幅広く担っています。現場と裏方、両方やるのが性に合ってると笑って話される姿が印象的でした。


並行して、移住当初から続ける自家焙煎珈琲は、起業支援金により1kgの焙煎ができるものにアップグレード。ふるさと納税やイベント出店、カフェへ卸したりと、少しずつ販路を広げています。


さらに、夫婦で資格を持つ“足でほぐす整体”の事業も 始めることにしました。現在は、自宅を改装して店舗を準備中。将来は同居型の民泊も併設し、“暮らしごと体験”を受け入れる構想だそうです。


「外とつながるハブになりたい。魚をおろす台所から、移住のリアルを一緒に味わえる宿にしたいんです。観光というより、“暮らしに混ざる”感覚を体験してもらえたらと思っていて。小さなやり取りの中に、地域の温度や人の距離感が自然と伝わると思うんですよね。自分がここで感じた心地よさ——“何もないけど、ちゃんとある”という感覚を、訪れる人にも持ち帰ってもらえるような場所にしたいです。」



地域で根を張るということ


大船渡での暮らしの満足度は高い、と木﨑さん。一方で“想像と違った”のは、最初の住まいがマンションだったことだそうです。


「キャッセン大船渡の近くに住んでいて、車で5分・歩いて20分ほどの生活圏。スーパーやカフェも揃っていて、いわゆる“コンパクトシティ”の便利さがあります。最初に利用した岩手県のお試し移住制度(月1万円・家具家電・Wi-Fi付き)にも本当に助けられました。暮らしながら地域のことも少しずつ見えてきて。この冬には、一軒家への引っ越しを予定しています。マンション暮らしは便利ですが、もともと、“庭付き一軒家の田舎暮らし”を思い描いていましたから(笑)」。


都会での生活や、体育会と営業で磨かれたのは、結果にこだわる姿勢。木﨑さんは移住当初、目つきが鋭いと言われたこともあったそうです。海の仕事、地域の時間、人との距離感に触れ、今は 少しずつ表情がやわらかくなったと言われるそうです。


「数字への執着は悪くないと思っています。結果を出すために努力することも、大事な姿勢です。 でも、今は数字に追われていた東京の頃とは違います。顔つきが変わったね、と妻にも言われました。自分でも、少しずつ肩の力が抜けて、表情が柔らかくなったのを感じます」。



移住を考えるあなたへ


「ここは“穴場”です。観光も暮らしも、いわゆる名所と違って驚くほど人が少ない瞬間がある。本当の自然と向き合えると思います。もう1つ——挑戦したい人には最高の環境です。競合がいない分、面白がってくれる人が必ずいる。足圧整体だって岩手ではほとんどいない。」


行政の窓口だけでは届かない“暮らしの手ざわり”。近いうちに始まる同居型の民泊で、それをまるごと体験できるように——木﨑さんの大船渡での挑戦は、これからも続いていきます。



●プロフィール

木﨑 和也(きざき・かずや)/ 1994年4月23日生まれ。埼玉県出身。食品機械メーカーの営業を経て、2022年に大船渡へ移住(地域おこし協力隊)。現在はフリーランスとして体験 ・宿泊施設「三陸アクティブ」 のWeb・体験企画運営などを担いながら、自家焙煎コーヒー、足圧整体、同居型民泊の準備を進める。 休日の過ごし方:1歳半の娘さんと公園へ。良くも悪くも子どもが少ないぶん、のびのび遊べるのも大船渡の良いところだそうです。


大船渡の好きな場所:夏虫山

「車で頂上まで上がれて、二つの湾を一望できる。海と山がひとつの風景になる瞬間が好き


大船渡の好きな店:SANDWITCHBAR SANEN

「毎回おかずがアップデートされるお弁当がすごい。関東では考えられない価格とクオリティ」



コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page